2017年女性のつどい (神奈川教会)

(2017/07/05)

 7月5日(水)1時半から4時まで、神奈川教会3階ホールで、女性のつどいが開催されました。
今回は、古賀さやかさんの「介護が必要になったら」と、吉岡裕子さんの「着物から遊び着を作って」というお話の二本立てでした。お二人とも鎌倉教会の在籍信徒です。



「介護が必要になったら」

 古賀さんは一緒に暮していた実母を介護、見送った経験を踏まえて、介護が必要になる時、介護サービスを受けるまでの流れ、サービスを受け入れてからのことなどを、専門家(横浜市社会福祉協議会を昨年春に定年退職された)としての視点を交えながら、話して下さいました。

 平成17年8月、同居しているお母様が、熱中症で倒れて救急車で搬送されて入院、入院中に看護師・医師から「認知症ではないか」と指摘を受けました。その1,2年前から、鍋やヤカンを焦がしたりして、様子がおかしいと感じることがあったのに、そのことに気がつかなかった。一緒に暮していると、少しずつ変化していくので、変化に気づかない、また「しっかり者の母に限って、そんなことはあるまい」という思い込みもあって、見過ごしていたのでした。

 入院中にお母様は要介護3の認定を受けることが出来て、最初はケアマネージャーが作って下さったプランに従って、デイサービスを受けていたのですが、「このままでは共倒れになる」という専門家のアドバイスに従って、特別養護老人ホームに入所することになりました。待ち人数がものすごく多くて、とても入れないと言われている養護老人ホームですが、たまたま住んでいる地域に新しいホームが出来たことで、すんなり受け入れてもらえ、しかも個室だったことから、後に最期の1週間は家族が泊まることができ、兄妹で十分に看取ることが出来た、など有難く感謝しているということでした。お母様は6年間お世話になったあと、平成24年7月安らかにお国替されたということでした。


 私の印象に残ったこと、参考になったことを列挙しますと、
① 同居している家族はつい親を親として見てしまうので、「あのしっかりした母に限ってこんなことはあり得ない」と現状認識出来ないことがある。別居している家族も同居している家族任せにせず、時々出向いて、親の様子をよく観察し、現状を把握、認識することが大切。 

② 様子がおかしいと思ったら、まず地域包括支援センターに相談すること。相談   窓口は全国に4300か所もあり、神奈川県内に362か所(平成29年4月1日現在)、山梨県内に44か所ある(28年4月1日現在)。まず役所に相談するとよい。住まい近くのセンターを教えてもらえる。

③ 要介護、要支援の認定が出たら、ケアマネージャーに相談し、ケアプランを作成 してもらう。この間、こちらの希望を遠慮なく伝えること、信頼関係を作ることに 努力してほしい。疑問に思ったら、ケアマネージャーを交代してもらうことも全く 問題ないとのこと。

④ 入所したあと、もうこれでおしまいではなく、頻繁に訪ねること、施設側とのコミュニケーションを図ることが大切。

⑤ 役所もセンターも医師看護師など皆、守秘義務があり、何を相談しても大丈夫、ありのままを話して相談するのがよく、はっきり意見を言うことが大切。

⑥ センターやケアプラザ、役所の福祉課などで、よく介護や認知症、成人病などの 講座を開催している。日頃からそういう話を聴いて知識を深めよう。

⑦ エンディングノートやシニアノートなどに、病気になった時、死ぬ時、自分はどうしてもらいたいかを書き込んでおくのもよい。

⑧ 成年後見制度(認知症高齢者や知的障がいがある方が、安心して生活できるように、保護し支援する制度)というのもある。

⑨ 自分が介護をする側になったら、一人で抱え込まないこと、とりあえず役所に行き、相談すること。SOSを発して助けを求めることが大事。よく新聞テレビをにぎわしているような悲惨な事件の当事者にならないために。


「着物のリメークについて」

 吉岡さんは、着ることを単なるおしゃれの一つでなく、自己実現と考えていて、テレビや雑誌だけでなく、車内や街で人をよく見、着ているものをよく観察しているそうです。中でも民族衣装は素敵だなあと思うとか。たまたま着物教室で着物を洋服に仕立て直すことを体験し、直線截ち直線縫いで簡単な割に着映えがすることを気に入り、長く続けることになり、今では「趣味は着物のリメーク」と言えるまでになられている様子。

 関東教区信徒会や全国女性ネットワークの場でも披露されています。10年以上にわたって作ってこられた作品の数々を見せながら、エピソードや旅の思い出を語って下さいました。

 駅のプラットホームですれ違った方が、わざわざ引き返してこられて「あのうこれは大島ですか?」。そこから話がはずんでお友達になったこと。子供の頃に着ていた赤い友禅をアロハシャツ風に仕上げ、海外旅行で着たら、評判がよかったこと。シックなものから、ちょっと派手なものまで、作品のそれぞれに想い出と愛着がおありになるようでした。


 最後に、出席された皆さんに、自己紹介を交えて一言スピーチをお願いしました。

 介護の少し厳しい現実と今後役立つであろうノウハウをしっかり勉強し、それだけでは少し堅苦しくなったところを、華やかな着物のお話と着るものでほぐして頂き、楽しい気分になったところで散会させて頂きました。講師のお二人、ありがとうございました。

(報告者・大塚東子)

2017年07月05日