2022年講話と夕食の会 (かながわ県民センター)


 例年12月第1土曜日に開催される「講話と夕食の会」は、一昨年は新型コロナウィルスの感染拡大で延期となりましたが、

昨年の「講話と夕食の会」はZoomによるオンライン講演会として、元気象庁予報官の入田央氏(金光教中野教会・信徒総代、ひかりプロジェクト・副理事長)に、『最近の異常気象について、災害からいのちを守る避難行動について』を講演して頂きました。

 今年、2022年の「講話と夕食の会」は対面で、そして感染拡大の影響も考えて講演ではなく、金光教本部教庁と東宝映像株式会社製作による映画「おかげは和賀心にあり」のDVDを上映しました。


 12月3日(土)、かながわ県民センター・301会議室で30名の参加者により、13時30分から村田光治・連合会副会長(子安教会長)の先唱でご祈念が始まると、続いて山口和賀雄・信徒部長(子安教会)の挨拶の後、映画上映に移りました。

 ここで、映画「おかげは和賀心にあり」についての解説です。
金光大神がこの世から現身を没してから満100年に当たる1983年(昭和58年)に、金光教教祖様の生涯が映像化されました。教祖様が人間に説かれたみおしえの映像化であります。その集約されたものが「天地書附」であり、そこから映画の題名も決められました。

 この映画は、脚本を田井洋子、監督を石田勝心、キャストとして主演を赤沢文治(鈴木瑞穂)、とせ(高田敏江)、斉藤重右衛門(藤岡重慶)、高橋富枝(左時枝)、白神新一郎(平田昭彦)、近藤藤守(倉石 功)、梅子(西川ひかる)、佐藤範雄(西田 健)、小野四宇右衛門(仲谷 昇)等、名だたる俳優陣によって構成されました。また、この映画は監督の石田勝心氏と脚本の田井洋子氏なくしてありえなかったと言えます。お二人は、一年余り、この映画に全力を投入されました。

 石田氏は金光教祖の思想をさぐり、深め、理解しない事にはと、あらゆる資料に目を通し勉強されました。田井氏は、どうすれば、教内の方々だけに通じる言葉(セリフ)を、一般の方々にも理解してもらえ、さらにドラマが緩慢にならぬようにと、大変なご苦労されました。結果、制作期間は一年にも及びました。さらに、教祖様が生涯を送られたお宅(立教聖場)は実物そっくりにセットし、現存しない玄関、門納屋も資料に基づき、多摩丘陵にオープンセットが創られたのです。エンディングでは杉田二郎作詞・作曲の「ジーンズとハーモニカ」が挿入歌として使われました。

 一方、方言指導では子安教会の村田喜実雄先生が指導されたり、「映画『金光大神』を成功させる会」を中心にロケ弁当は冷たいので、豚汁を作ったり、カレーやお雑煮、おでんなどを作り、みなさんに喜んでもらいました。
金光教東京センター職員やフォーゲル企画の方、なによりもこの企画を立てた膳師豊さんや山本徹さん、大田一さん、大田陽子さんの活躍は大変なものでした。

 さて、私は「天地書附」が成立した時代背景を,この映画を通して知る事が出来ました。当時の明治政府は、国内の人心を統一し諸外国に立ち向かうために、天皇を頂点とする「国家神道」体制を確立しようとしていました。それにより、金光教は布教差し止めになり、神前は全て取り払われました。この厳しい現実の中で、金光様は「神はわが心の中にある。わが心でわが身を救い助けよ‥‥‥生神金光大神、天地金乃神、一心に願え、おかげはわが心にあり、今月今日で頼めい‥‥‥」と神の声を聞いたのです。

 如何なる力を持ってしても、神と一体となった人の心を抑えつけることは出来ないと示したのです。戦後、日本国憲法は「信教の自由」を条文に明記し、「内心における宗教上の信仰の自由」を、国家は決して侵してはならないと命じたのです。

 私自身、今まで漫然と唱和していた「天地書附」でしたが、「天地書附」成立の背景に、全てを神に捧げて生きていく金光様とその時代のあり方との緊張感があったと知った後に「天地書附」を唱える時、緊張感が走るようになりました。


 1時間45分に渡る映画を終えて、暫しの休憩後、全体懇談会に入りました。


 この映画を、参加者の中で初めて観る方もいましたが、二度三度と観ている方、中には10数度も観ている方もいましたが、観る度に感銘を受けるとのことでした。それは、教祖様が人間に説かれたみおしえの映像化が製作に携わった方々の情熱と誠実な努力の結晶の映像化でもあった証左とも言えます。

 終幕を迎えた2022年の「講話と夕食の会」は、山田信二・連合会会長(横浜西教会長)の感話があり、山口和賀雄・信徒部長(子安教会)の閉会の辞と続き、南清孝・運営委員会主査(登戸教会長)の先唱によるご祈念で終えました。 (記:鈴木徳昭)

2022年12月03日