2023年女性のつどい報告 (横浜西教会)

 神奈川山梨教会連合会信徒部主催 女性のつどい 報告 (2023年6月23日 13時半~16時15分)


前夜来の雨が上がって、曇り空の中、集会参加者が三々五々、横浜西教会に集まって来た。

お広前から、アルトサックスの音色が聞こえてくる。待ち時間を利用して講師の岩井和子さんが奏でる音。リクエストにも応えて演奏して下さった。

今日は沖縄戦争終結の日、「サトウキビ畑」を演奏して、コンサートタイムを終了、集会が始まった。




〇山田初子さんの司会で、連合会長でもある山田信二教会長のご祈念を頂き、続いてご挨拶

 

「昨日の新聞に世界経済フォーラムが発表した『ジェンダーギャップ報告書』の記事が載っていた。世界各国の政治や経済などの男女平等の現状を指数化したものであって、日本は146か国中125位だという。

教祖様の願っておられるような社会にはなっていないのだと感じる。教祖様は男女の区別なく、それぞれを尊い神の氏子であると教えてとして下さった。その人がその人らしさを発揮して、世界の平和とすべての人の幸せのために働き合うことが神の願いである。

金光教では、男女の別なく、こうして一緒に学び合いが出来るのは有難い。今日の集会から喜びにあふれた生き方がを学びあって頂ければ、うれしく思う」

山口信徒部長の挨拶

「大勢の皆さんに、遠くからもご参加頂き、特に横浜西教会の皆さんにはお世話になって、集会を開催できることお礼申し上げる。

『神様にお任せして安心の日々を』、どうしたら安心の日々を過ごせるのか、『生きやすさに繋がる小さな取り組み』、それはどういうことをすればいいのか、お話をとても楽しみにしている。今日はしっかり勉強して帰りたい」




岩井和子さんのお話 

『神様にお任せして安心の日々を』 ―生きやすさに繋がる小さな取り組みー

(自己紹介から)

国立音大で、サキソフォンを専攻し、卒業後ドイツに留学、現在は演奏活動をしたり、音楽教室などで教育にも携わっている。昨年7月には全国信徒会の「全国大会イン首都圏」で、夫のチューバ、姉のピアノと共に演奏させて頂いた。

今回、お話の御用を頂き、逡巡したが、今年の横浜西教会の信心実践目標は「出来ることは何なりと喜んでさせて頂く」ということになっている。日々嬉しく有難く心配なく過ごさせて頂いており、私も喜んでさせて頂こうと、お受けした。

音楽家というのは、個人事業主。神様にマネージャーをお願いして生きてきた。それは安心でとても生きやすい生き方であることに気づいた。今日はそこをお話させて頂きたい。

(家族のこと)
甲府市の出身、祖母の母が大明教会にご縁を頂いたのが、金光教との出会い。祖父が80歳の時に、癌になり、亡くなるのだが、最後の時、お見舞いに来て下さった、甲府教会の先代、牧野武雄先生の手を握りしめ、もう口は利けないのだけれども、篤い信頼を寄せているのだなあと思った。

帰りに一人で教会にお参りしたら、真幸先生が「おじいちゃんの一番いいようにして頂きましょう」と言われ、そうか、治ることだけがおかげでないのだと、目からうろこの思いがした。

祖父が亡くなったあと、祖母の付き添いで一緒に朝参りをした。金光教関係の本など、真幸先生が貸して下さって、読むうち、金光教を少し理解し、み教えが好きになっていった。後に大学に入り、上京した時も、部屋にみ教えの日めくりをかけた。

父は誠実な頼りがいのある人、子供の意思を尊重し応援してくれた。家業である商売を継ぐ立場で、若い頃いろいろなことに興味があり、勉強が好きだったが、商業高校に進み、後継者になった。商売をしていると、どうしても清濁併せ呑むというような生き方を求められるので、清き処である教会に行きづらいと思っているようで、姉や弟もお正月にお参りするくらいだが、実意を大切にし、人を大事にすることは家風として伝わっているように思う。

両親は子供4人、孫13人、ひ孫も4人出来ていて、子孫繁盛家繁盛のおかげを頂いている。姉弟があまりお参りしないのは、問題がないからで、困ってないからだとも言える。ある意味有難い事。その分私がお詫びさせて頂き、ご本部のお土産にみ教えの日めくりを配ったり、甥や姪が結婚する時には、『天地を語る』を渡したりしている。今すぐ役立たなくても、必要な時に神様が気づかせてくださると思い、言わば信心の種を蒔いて蒔いている。

父は、ユーチューブの配信でお話を聴いたりもするのだが、操作に手間取る時私に頼むことが多いが、「迷惑をかけると思わず弟に頼んだら?」と進言している。たまたま聞こえてきた教話で助かることもあるし、信心のきっかけになるかもしれない。

(夫とのこと)
夫は大学の同級生で、長年一緒に乗り越えてきた、同士のような存在。大学卒業後、結婚してドイツに留学することになり、二人で甲府教会に参拝した。武雄先生は「ドイツ、近いなあ。全て神様の天地、何の心配も要らない」と言って下さり、驚きながら、安心して出発した。

ハンブルグに着き、3泊分のホテルしか予約していなかったのに、たまたま会った方から「今、空いてる部屋があるよ、入らない?」と声をかけて頂き、すぐにアパートに入れるというご都合を頂き、夫も武雄先生のおっしゃったことは本当だと実感したようだった。アパートには天地書附をお祀りさせて頂き日めくりも掛けさせて頂いた。

その後、金光教のヨーロッパ集会があり、国際センターの山田信二先生が来て下さって、気安くお話し下さった。卒業後、帰国を迷った時もご相談し、帰国した後は、横浜西教会にご縁を頂いている。夫も個人事業主、多くのお繰り合わせを頂き、神様がマネージャーをして下さっているのだと実感するようになった。

岩井の母も、心臓の持病を抱えていて、一時期夜中に救急車を呼ぶこともあったが、お届けしてお任せしたら、その後転んで骨折したことがおかげになり、介護施設に入れて頂くことができ、安心させて頂いている。これも、あくせく思わなくていいのだ、神様にお任せすれば大丈夫だと実感できる出来事だった。

(長男について)
私には24歳と22歳の二人の息子がいる。どちらも自慢の息子だが、性格がまるで違う。一人は「わざといばらの道を選ぶ?」と言いたいくらいの頑張り屋、もう一人は頑張りが好きでない人。

長男は高2の時に「医者になりたい」と言い出した。決心は変わらず1年浪人し受験シーズンになった。信行期間だったので、私はおすがりする気持ちで、出来る限りお参りさせて頂いた。「どうぞ受からせて下さい」とお願いしたが、浩子先生は「神様の御心に叶った願いを立てさせて頂くのが大事」というご理解を下さったので「医者にならせて頂き世のため人のためにお使いください」とお願いするようになった。すると神様は必ず息子をお使いくださるという確信が持て、「どこか一つは受かるよ、賭けようか?」と言えるようになった。最後の最後にチェコの大学の医学部に合格させて頂き、留学することになった。

息子との賭けに勝った私は、ご本部に参拝してほしいと伝えた。予備コースの1年を含めて、この先7年間、息子はチェコで勉強することになる。やはり、ご本部にお参りし、自分でお願いして来てもらいたいと思ったのだ。息子はすぐにうんとは言わなかったが、母の安心のため、深夜バスで往復、ご本部参拝をして、チェコに旅立った。

あれから5年、あと2年残しているが、さまざまなおかげを頂いている。進級試験は、教授と二人で向かい合い、1時間もテーマに添って質問され、それに答えるものもある。試験官によっても、くじで引いた課題によっても、どうしても差が出るということがある。自分より優秀な、努力している人たちが、留年、退学となる中、無事進級できているのは自分の力だけではないと思うようになった。息子は面接試験の時、スーツの下にフォーゲル隊で着ていたTシャツを身に着けて、臨んでいるようだ。神様に心が向いて有難い。

(次男の場合)
次男は頑張らない人。小さい時から絵が得意で、好きなことはやるが、勉強はしない。宿題もしない。学期の終わりになると、あれも提出していない、これも出していないということになり、私は担任に「すみません」の繰り返しだった。

中学になると、一層「勉強勉強」と言われる。そんな中で中学2、3年を担当してくれたベテランの先生から、「息子さんには、いい処ありますよ。他人の嫌がることを率先してやる、お友達を大事にする」と褒めて頂いた。そうか、私の基準で、この子をダメな子と決めつけていたのだと気がついた。

「頑張らない人にも頑張らないなりの幸せがあるのだ」とも聞き、頑張って挑戦することが大事と思っていた私は、目からうろこの思いがした。親の思いが先に立つと息子が何をやっても足りないことになる。私の思う息子の幸せより、息子が幸せだと思えることを大切にしようと思った。

息子は無理をせず、通学は大変だが、得意を生かせる工業高校のデザイン科に入学した。在学中は生徒会長もし、公のために働ける人になったと思う。現在は美術専門学校を卒業し、そこで助手として生き生き働いている。 

(フォーゲルの存在)
子供たちの成長には、金光教フォーゲルの存在が欠かせなかったと思う。キャンプなどで、他人を大切にすること、公のために働くことなどと共に、子供向けに金光教の信心をわかりやすく教えて下さり、神様にお育て頂いたのだなと思う。良く参加した次男の場合は、スルスル生きることを、神様のおかげでさせて頂いているのだなと思う。

今の学校教育では、どの教科もまんべんなく出来ることが要求されているように思う。国語も英語も算数も出来て、更にピアノや楽器が出来て、絵も上手で、運動も出来ることを求められる。真面目で努力家な子供ほど、「他人に迷惑をかけないこと」を良しとする世の中では、困難に当たった時、助けを求めるとか相談するということを、他人に迷惑をかけることと考えてしまう場合がある。

そうではなくて、困難に当たった時、困難に立ち向かう方法を考え、笑って困難にあたれるよう、時には他人の力を借り、感謝し、圧力をかけられて一度はへこんでもしなやかに立ち直る、そういう抵抗力を身に着けてほしい。迷惑と思わず、みんなで親切にし合い、助け合い、喜び合う人にならせて頂きたい。人生に役立つ力を、フォーゲル隊の活動から学んだと思う。

(メール日参)
本来なら日参がいいのであるが、片道2時間余りかかる状況。メールを活用して、お届をしている。乗り物に乗って居る時間、空いた時間を活用して、教会宛にメールしている。ため込まず、毎日お届することで、くよくよ悩まず、すぐに安心でき、「お願いしているから大丈夫」「起こってくることは良くても悪くても神様の思し召し」と気持ちが軽くなれる。

先生からはいつもお返事を頂いてありがたい。お祈り添え頂いていると思うと心強い。加えて、毎朝信二先生が送ってくださる「神様メッセージ」や「声のメッセージ(ポッドキャスト)」で教話も聞け、ありがたい改まりの機会になっている。

(石と豆腐)
私は子供が出来た時から、家庭を優先することを母と約束してきた。家の事は一人で引き受け自分は家族に尽くしていると、頑ななところがあったと思う。ある時、車の中で、夫とちょっとした意見の食い違いで、とげとげしい雰囲気になったことがある。ご大祭の帰りだったので、ご神意があるはずと思い、まず自分が改まらないといけない、とげが刺さっても気がつかないような豆腐になろう、石になってはいけないのだと気づかせて頂いた。

いい意味で、どうでも良い、気にしない、こだわらない生き方をしようと思うようになった。私が思う通りでも、そうでなくても、どちらでも神様はOKを出してくださる。こだわりを放して、私の心の垣根が取れたら、夫がやさしくなった。

私は元々メールを打つ時、書くことが伝わるか、相手が悪く思わないか考え、一言一句を気にするタイプだったが、悪く取られるかもと思うのは、相手を悪い人だと思っているということで、相手に失礼。相手が心の広い良い方だと思うことにして、ちゃんと伝わるようお願いしながら送信ボタンを押している。神様が良いようにして下さると思うことで、あれこれ思う心から、解放されて楽になった。

神様にマネ―ジャーをお願いした以上、お任せして、良くても悪くても不足を言わず、ありがたく受けることが大事だと思う。ご神意と思えばあれこれ悩むことなく、楽であり、安心できるのだ。個人事業主なので収入の面でも安定したものではないのだが、帰国して20年、足りなかったことは一度もなく、支払わせて頂ける喜びを感じ、神様が養って下さっていると感謝している。

私の仕事でも、生徒さんがやって来る、レッスンを終えて帰る。教え方はよかったかなとか、生徒さんが望んでいるようにやれたかなとか、長すぎたかな、短すぎたかなとか、いろいろ考えてしまい、反省ばかりしていた。生徒さんのことも、一人一人祈らせていただ頂き、神様にお任せするようにしたら、生徒さんにお会いするのが楽しみになってきた。

自分自身が演奏する時も、いつも100の演奏が出来なくてはならないと思っていたが、時に80でもいい、それでも喜んで頂けている。皆さんに喜んで頂けるように、せっかく神様に頂いている力を生かせるよう、努力していきたい。神様にお任せしてありがたく、信心させて頂きたいと思っている。

今日はたくさんの方に聴いて頂いて、ありがとうございました。こういう機会を与えて頂いて、信心について、改めて考えるよい機会になりました。お礼申し上げます。

最後に「神人の栄光」を演奏して、お話は終わった。


〇休憩後、出席者全員に自己紹介をして頂き、その後質問を受けた。


・御神米を差し上げるということだが、どんなふうにあげるのか?
 答え:甥が消防士になった。危険なことの多い職業なので、身につけてほしいと思った。よく神社で売っているようなのと同じ形のものに、御神米を入れて、贈った。また問題を抱えている生徒さんにあげたこともある。皆さん、喜んでもらって下さる。

・牧野武雄先生とは、どういう方だったか?
 答え:私が知っているのは、もう晩年の先生だが、矍鑠とした、お元気なすばらしい先生で、祖父や父がお世話になった。お参りすると、「よく来た、よく来た」と喜んで下さったのが、印象に残っている。

・今日のこの女性のつどいにはぜひ伺いたくて、早くから、この集会に参加したいと宣言していた。孫をあずかる日なので、お願いしていた。昨日になって孫が熱を出し、びっくりしたが、今朝には下がり、お昼に息子が帰宅してくれて、無事参加出来た。願い続けることが大事だなあと改めて思った。

・メール日参について、先生のほうはお返事を書くことを、負担に思うことはないのか? 
 答え(山田先生):まったく負担には感じない。いえいえ、そんなに長いお返事をするわけばかりではなく、「お届させて頂きます」とか「お礼申します」とかいうだけのこともあるし。信者さんたちは、遠いとか、仕事があるとか、体の都合とかいろいろあって、日参はなかなか難しい。電話でも手紙でもメールでも、何でもお届があるのは、、取次者としては非常にうれしく有難い。皆さんの気持ちが、神様や教会に向いているということだから、私としては非常にうれしく有難い。これはどの先生でも同じだと思う。これからもぜひどんどん下さい。


最後に甲府教会長・牧野真幸先生の感話を頂いた。


こういう集会を準備して下さった役員の皆さんにお礼を申し上げたい。ありがとう。
こんなすばらしいお話のあとに、言うようなことは何もないのだが、岩井和子さんが人間的にも信心的にも大きく成長されていて、感心した。よくお育て頂いたなあと感謝した。

ドイツに発つ時に、父が「ドイツは近い、近い」と言ったこと、私が小型の天地書付附を差し上げたのもよく覚えている。元々、とてもまじめな性格の人で、そういう人は案外、他人に任せることが出来ず、心配性なもの。「神様にすべて任せる」ことは、信心の大切な処、有難い処を要約されていると思うが、これがなかなか出来なくて、苦労している人が多い。

和子さんはそれを口だけでなく、実際にやって来られたのだなあと思った。子供にも柔らかい心で接していて、ただ勉強しろだの、宿題しろだのとやかましく言わず、子供のよいところを伸ばしている。すばらしいと思った。

なお、ご両親のことで、一言付け加えたい。和子さんはあまり信心が出来ていないように言われたが、そんなことはなく、金光教の信心をよく理解しておられるし、新築されたお宅ではもっともいい部屋にご神殿を設えておられる。さらに、お正月には一族揃って参拝されるが、その一族だけで、お広前がいっぱいになる。そういうおかげを頂いているご両親です。

その後、牧野先生の先唱で天地書付附を奉体して、内容の濃い集会は終了した。
当日、お心配りを頂いた横浜西教会の皆様、ありがとうございました。(記録・大塚)  

2023年06月23日