2023年 教祖140年「教師信徒研修会」

 

去る7月2日(日)午後1時30分から4時まで、神奈川公会堂1号会議室を会場に、「これからの信心」をテーマにした教祖140年「教師信徒研修会」を開催して、11教会から31名が参加した。




 


連合会長・山田信二先生は、開会挨拶の中で「教祖140年を迎え、改めて教祖様の信心を学ばせて頂き、それを元にして自分自身の信心を見直し、ここからどのように信心を進めていくことが幸せとなり、神様が喜んで下さることになるのか、それを求めていくのがこの節年の意味である」と語った。

次に、講師である東京センター所長・嶋田洋先生(所沢教会長)から「これからの信心」と題して、先生の経験を踏まえながら、レジュメに沿って講話を伺った。



講話「これからの信心」(嶋田洋先生)

・独自性—他宗教との差別化
金光教は他宗にない独自性をもっている。今日の問題として、コロナの問題、統一教会の問題、ロシアウクライナ戦争等、現代社会の問題に対して、どう向き合えばいいのか、この難題に金光教としてどういう独自なおかげを提示することができるのか、考えさせてもらっている。

金光教には、いろいろな教えがあり、事柄一つ一つに対応する教えがたくさんある。しかしその難儀にいくら教えを並べたところで、それが直接おかげに繋がるかというと、そういうわけにはいかない。その教えをとおして私共一人ひとりが、祈りの中味として、行動の一つとして、どう対応していくかが問われている。

私は海外をはじめ、いろんな場でボランティアに携わってきたが、金光教を背負って現場に立っていることになり、必ず金光教はどういうことをやって社会のお役に立っている宗教なのか、特徴はどういうことか、尋ねられる。

人にお道を伝える時には、一人ひとりが自分のオリジナリティ、本教のウリ、ここが凄いんだというのを三つ、四つは持っておくべきである。これが自慢なんだというものを皆持ってもらいたい。


・みやすい信心—可視化
信心、徳、めぐり、なかなか目に見えない。それが見ることができたらどれだけ信心がやりやすくなるか。
修行時代に聞いた話だが、ある先生が「世の中で一番怖いものは何か」とある人に尋ねた。その人は「地震、雷、火事、オヤジ」と答え、先生は「確かにどれも怖いが、一番怖いのは徳切れだ」と言われたという。徳というものは目に見えない、どれだけ徳を積んでいるのか見えない、だから油断禁物である。徳を積む一番の方法は、神様のことを一番に優先すること、これが徳を頂く一番わかりやすいあり方であると、具体的に言われている。

金光教の特徴として、信心即生活、生活即信心という教えがあるが、生活の中で信心を現わす。それぞれの課題として取り組んでくれれば有り難いということで、可視化できればと思ったことである。


・付加価値
 信仰の醍醐味は、信心による付加価値ではないかと思う。三十年前の甘木教会での修行時代の話であるが、あるきっかけで中学生に勉強を教えることになり、一学年十人まで、無料で教えることとなった。ある時未信奉者の中学三年生が、学校でどこの塾に行っているか調査があり、その子が「金光教甘木教会」と言ったら、先生も知らず、クラスの中で失笑が起きて、恥ずかしい思いをしたということで、「なぜ金光教は有名ではないのか」ということを言ってきた。

私は「金光教を知った人、良さを分かった人が有名にするしかないだろう。君達は教会で心の勉強もしているんだ。その分努力しているんだから、上に立つ資格があるんだ」と話して、勉強に取り掛かったことがあった。心の勉強という付加価値がある。必ず勉強の前に信奉者、未信奉者に関係なくご祈念して、数分話をしてから勉強に取り掛かるということで、ご祈念すれば学習の中味も変わってくると、それも付加価値である。「勉強も自分がするのではなく、神様にさせて頂く気持ちでやってみろ」と。教会の場を通して、経験させることで信心を少しでも分かってもらえれば、との思いで話をさせてもらった。


・生神の道

教祖140年というお年柄を迎えて、教祖様の生き様というか、教祖様の信心のあり様、そこを振り返るという意味で、最後に「生神の道」ということで話をする。私は長年ボランティアに関わっている。人から手を合わせてもらえると励みになる。

教祖様が歩んで来られた道は、どういう道であったのか。「信心して神になることを金光大神が教えてやる」とのご理解のままに、正に神になる道を教えて下さった。それは人を助けること、神の道を伝え広げることを教祖様が生涯をかけて求められてきたのではないか、それが生神の道を辿るという私達のあり様ではなかろうかと思う。共々に元気な心、体、おかげを頂いて、しっかりとこれからの信心の上におかげを蒙らせて頂きたいと願って、今日のお話を終わらせて頂く。



講話の後10分休憩して、質疑応答を行った。
続いて意見発表に入り、3名(教師1名信徒2名)から思うところを発表してもらった。

今村則子さん(生麦教会)は、「ここからの信心」について、最近思わせられたことを話された。今年6月ご本部で教団独立記念祭が仕えられ、教祖140年「神人物語」を編む全教集会で、学院同期で仲良くしていた池本ひろ江先生が実践発表され、その話の中で「今までに起きてきた善悪全てのことをひっくるめて、今の自分がある。その自分を好きになることで神様に愛され、生かされている」と話されたことから気づかされ、まず自分が自分のことを好きになって、そういう中で生かされてきたこと、いろいろあったけど、今の自分があることを感謝して、そのことを伝えていければいいのではと思う、と語った。

原田秀彦さん(横浜西教会)は、「これからの信心」について考えているところを話された。悩みがあれば相談できる人、どんな話でもニコニコして聞いてくれる人、話をしたらいつでも気持ちがよくなる人、何でも相談されて頼られる人、そんな人に仕事でも、私生活でもなりたいと思っている。あこがれであり、私の側にもそういう方がいる。自分自身が将来人に信用され、頼りにされる人になることで、「あの人は金光教を信心しているからだ」と言われるような人になりたい、と語った。


伊藤かおるさん(鎌倉稲村ガ崎教会)は、昨年のご霊地集会の司会を受けた時の自分の気持ちの移り変わりを話された。昨年山田先生から司会の御用の依頼があり、一度断ったが、台本があるなら御用できると思い司会をお受けした。練習すれば何とかなると思っていたが、コロナに罹り3日ほど辛かったが、その後普通の生活ができるようになった。皆さんに迷惑を掛けてはいけないとの思いから、ご本部に行く3、4日前からご神米を頂き、何とかさせて頂きたいという思いになり、無事ご本部に参拝できるおかげを頂いた。自分にとってチャレンジでもあったが、素晴らしい空間の中で、凄く幸せな気持ちで司会の御用ができる経験をさせて頂いた、と語った。

その後閉会行事に移り、連合会副会長、信徒部長山口和賀雄さんは、閉会挨拶で「今日の嶋田先生、皆さんのお話を聞きながら、私の信心は信心しているつもり、にわか信心である。信徒部長の御用も仕事になっていて、御用になっていない。だから身につかない、徳が積めない、徳を積んで神様に少しでも近づけるよう、人を助けて神になる信心となるよう、思い知らされた」と語り、閉会のご祈念をして午後4時終了した。        

(文責 南清孝)

2023年07月02日